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キャタピラー[R-15]

キャタピラー[R-15]
【解説】
1960年代の日米安保反対闘争から72年のあさま山荘での銃撃戦へと至るあの時代、高度経済成長期の日本の若者たちの生き様を描いた『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』から2年。本作を作る上で、若松監督は国家に石を投げるのは、自分たちの親世代が行った戦争の愚かさと戦争を忘れ経済発展を目指す国家に対する怒りであったのではと感じるようになった。
映画やゲームの中では簡単に殺人が行われ、現実の世界でも残虐な殺人事件が起こり、そしてそれも忘れ去られて行く。正義のための戦争など存在しない、戦争は人殺しである。命ときちんと向き合わなくなり、世界が同じ過ちを繰り返す現代だからこそ映画監督として思想を持って映画を作りたいと感じる。そして、静かな田園風景の中で、1組の夫婦を通して戦争の愚かさと悲しみを描く、若松孝二監督の新境地と言える作品が完成した。シゲ子を演じた寺島しのぶは本作で第60回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。

【あらすじ】
一銭五厘の赤紙1枚で召集される男たち。シゲ子の夫・久蔵も盛大に見送られ、勇ましく戦場へと出征していった。しかしシゲ子の元に帰ってきた久蔵は、顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿であった。村中から奇異の眼を向けられながらも、多くの勲章を胸に、“生ける軍神”と祀り上げられる久蔵。四肢を失っても衰えることの無い久蔵の旺盛な食欲と性欲に、シゲ子は戸惑いつつも軍神の妻として自らを奮い立たせ、久蔵に尽くしていく。四肢を失い、言葉を失ってもなお、自らを讃えた新聞記事や、勲章を誇りにしている久蔵の姿に、やがてシゲ子は空虚なものを感じ始める。敗戦が色濃くなっていく中、久蔵の脳裏に忘れかけていた戦場での風景が蘇り始め、久蔵の中で何かが崩れ始めていく。そして、久蔵とシゲ子、それぞれに敗戦の日が訪れる……。

【キャスト】
寺島しのぶ、大西信満、吉澤健、粕谷佳五、増田恵美、河原さぶ、石川真希、飯島大介、地曵豪、ARATA、篠原勝之

【スタッフ】
監督:若松孝二
プロデューサー:尾崎宗子
脚本:黒沢久子、出口出
撮影:辻智彦、戸田義久
編集:掛須秀一

【映画情報】
製作年 : 2010年
製作国 : 日本
配給 : 若松プロダクション・スコーレ株式会社
上映時間 : 87分

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Posted by fukuchiyamacinema 6 月 2010


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